渋谷区を代表する御屋敷街である松濤エリア。かつては紀州徳川家の下屋敷が軒を連ね、明治時代になると旧佐賀藩主から渡された鍋島家がここに茶園を開き、「松濤園」と名付けたことが地名の由来となっています。その後、鍋島家の本邸周辺の土地が政財界の名士や著名な文人たちに分譲され、今なお各界の著名人たちが集う閑静で品格のある住宅街を形成しています。街には立派な外観の邸宅が立ち並び、格式高い雰囲気で、都心部である事を忘れさせてくれる落ち着きを醸し出しています。大使館や大使公邸が多いことから、国際色溢れる飲食店が揃うのも魅力のひとつ。治安の良い環境なので女性の方が住まわれる際も安心して暮らしていただけることでしょう。
「松濤美術館」や「戸栗美術館」、「観世能楽堂」といった古典芸能や芸術が息づく松濤では、古今東西を問わず、様々な文化・芸術が発信され続けています。特に「松濤美術館」は絵画展のほか、彫刻、写真、陶磁器、工芸に至るまでジャンルにとらわれない展示が行われており、多彩なアートに触れることができます。館内には至る所にソファが設置されているので、ゆっくりと観覧できそうですね。講演会や音楽会、絵画教室といったイベントも開催されており、アートをより身近に感じていただけることでしょう。
松濤を象徴する憩いの場として親しまれている「鍋島松濤公園」。湧水池を中心に季節の草花が咲き誇り、桜や椿、楓などの樹木も多く、水鳥たちの憩いの場を眺めながら、ゆったりした時の流れの中で過ごしていただけます。池の周りにはベンチが設置されているので、美術館巡りの合間の休憩場所として、一息するのもいいですね。春には桜が咲き、お花見スポットとして、また秋になると、紅葉も楽しめ、季節の移ろいを感じられます。水面に映る木の影と光のコントラストは絵画のようにとても美しいので、是非ご家族で散策に訪れてみてはいかがでしょうか。