下町風情が漂う谷中・根津・千駄木の通称“谷根千エリア”。東京の下町の中でも特に昭和の面影が色濃く残る街で、時代の流れに適応しながらも、昔懐かしい風景が広がっています。「日暮里」駅から少し歩いて「谷中銀座商店街」に辿り着けば、自由気ままな野良猫たちがお出迎え。“夕やけだんだん”と呼ばれる階段からは、昔ながらの個人商店から個性豊かな専門店までが軒を連ねる商店街を見下ろすことができ、夕暮れ時にはその名の通り、美しい夕焼けを眺めることができます。夕焼けに染まる商店街を見ていると、一日の終わりを感じながら穏やかな気分になれそうですね。他にも谷根千には老舗の味を今に伝える名店や新しい感性を持つお店が点在しており、それをお目当てに歩くのが距離的にも丁度いい散策コースになっています。
近年、若い人たちの間ではレトロな街を散歩する人が急増中で、今や谷根千エリアもそのどこか懐かしい街並みや下町グルメ、古風な喫茶店などが若い人たちにも受け入れられています。下町風情を残しつつ、新しいお店も次々にオープンしており、おしゃれなカフェやレストラン、雑誌に掲載されている注目のお店などが揃い、いつ訪れても新しい発見があるのも魅力ですね。「日暮里」駅構内にある駅ナカ商業施設「エキュート日暮里」には、話題のお店が集結。散策した帰り道に、気軽に立ち寄るのもおすすめですよ。
坂道に囲まれた谷根千には、お寺や神社が多く、明治・大正時代に建てられた歴史的建造物も数多く残っており、歴史探訪を楽しむにはもってこいの街となっています。当時の面影をそのまま残した建物は、古き良き時代の空気を漂わせており、タイムスリップしたかのような感覚を味わえることでしょう。また、通りを歩いていると、美術館やアートギャラリーが多くあることに気づかされます。レトロな雰囲気を感じる古書店やアンティークな雑貨店なども点在しており、文学と芸術の薫りを感じながら、クリエイディブなものたちに触れられます。美術館やアートギャラリーで芸術を鑑賞した後は、古書店でお目当ての本を探して、その本を片手にノスタルジックな空間の喫茶店でゆっくりと読み、帰りにはアンティークな雑貨店に寄って崇高な骨董の世界を楽しむ…。その日の気分に合わせて文化的なライフスタイルが送れるのもこの街の魅力ですよ。
「谷中霊園」は“さくら通り”と呼ばれる桜の名所として知られており、春には満開の桜を眺めながらの散策を楽しめます。「谷中霊園」から「上野恩賜公園」へと桜を愛でる散歩に出掛けるのもいいですね。また、「根津神社」はつつじの名所で、境内には約2,000坪のつつじ苑があり、4月の終わり頃には約100種3,000株のつつじが咲き誇り、色鮮やかな景色を堪能できます。秋には街の至る所で紅葉がはじまり、冬にはイルミネーションもちらほら見られるので、いつ訪れても違った雰囲気を楽しんでいただけますよ。ノスタルジックな街並みと四季折々の自然の調和が魅力の谷根千エリア。この街ではきっと忘れていた心の奥深くにある感覚を思い出させてくれることでしょう。
